なぜ雇用格差はなくならないのか―正規・非正規の壁をなくす労働市場改革

なぜ雇用格差はなくならないのか―正規・非正規の壁をなくす労働市場改革

アマゾン購入感想

大学生の息子に読ませたい 働く貧困とか雇用格差などの問題が大々的に取り上げられているが、話題になればなるほど、この問題を扱う報道番組や書籍には、正社員と非正社員の対立を煽るような過激な内容のものが多い様に感じる。
 世間一般の人びとは、報道されているような実態に接して「格差」を実感しているわけではないし、そこまでの切迫感はないと思う。たとえば、職場において短期雇用で働く労働者が増えているとか、家族や知人に学校を卒業しても定職につかない若者が多くなっているのをみて、身近な格差社会を感じるのではないだろうか。
 著者は、電機・電子関係の会社で働く労働者が組織する組合で仕事をし、労働者の労働条件や賃金実態に詳しい。「非正規労働者が失業した場合、雇用保険の一般求職者等給付が受けられないため、問題が深刻化すること」などの例を挙げ、正規労働者と非正規労働者の立場の違いをわかりやすく解説している。その上で、非正規労働者の雇用と生活の安定に必要な、積極的雇用政策、賃金・処遇の均等待遇、公的セーフティネットや就業支援、年金改革などについて提言している。
 日常生活と「報道の世界」とにギャップを感じる人にとって、そのギャップを埋めるために役立つ入門書となる。自分が読み終わった後に、大学生の息子に読ませたいと思う。

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